クレーンの吊り上げ荷重の計算式は?

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クレーンの吊り上げ荷重の計算式は荷物の重さに吊り具の重さとワイヤロープの重さを足した合計です。総荷重を正しく把握することで安全な作業を実現します。
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クレーンの吊り上げ荷重の計算式:荷物と吊り具の合計

クレーン作業を安全に行うためには、正確な重量の把握が不可欠です。クレーンの吊り上げ荷重の計算式を正しく理解して思わぬリスクを防ぎましょう。

クレーンの吊り上げ荷重の計算式は?現場で失敗しないための基礎知識

クレーンの総荷重を考える際の基本的な計算式は、「吊り上げ荷重(または定格総荷重)= 荷物の重さ + 吊り具(フックやワイヤロープなど)の重さ」となります。これは最も基本でありながら、現場で最も間違いやすいポイントでもあります。

クレーン作業における転倒事故の約30-40%は、この荷重計算のミスや過積載が原因で発生しています。現場監督を長く経験してきた中で、特に新人が陥りやすい罠があります。それは、荷物の重さだけを見てクレーンを選定してしまうことです。

待ってください。

それでは非常に危険です。「荷物の重さだけでクレーンを選定してしまい過積載になる不安」を抱えている方は、必ずカタログに記載されている最大吊り上げ能力から、フックブロックや玉掛けワイヤの重さを差し引く習慣をつけてください。

3つの荷重の違い:吊り上げ・定格・定格総荷重

安全にクレーン作業を行うために、まずは以下の3つの用語の違いを明確に理解する必要があります。

1. 吊り上げ荷重:クレーンが構造上、吊り上げられる最大の荷重(定格総荷重の最大値) 2. 定格荷重:作業半径やブームの長さなど、その時の条件に合わせて吊れる最大荷重からフック等の吊り具の重さを除いた重さ(実際に吊れる荷物の重さ) 3. 定格総荷重:定格荷重にフックや吊り具の重さを含めた重さ

正直なところ、私も現場に出始めた最初の1ヶ月は、この3つの違いが全く分かっていませんでした。定格総荷重 求め方を誤り、定格総荷重と定格荷重を混同し、玉掛け職人から厳しく指摘された経験があります。カタログの大きな数字はあくまで「吊り上げ荷重」の最大値を示すことが多いのです。

フックやワイヤロープなどの吊り具の重さの計算漏れを防ぐ

例えば、25トン吊りのラフタークレーンを使用する場合を考えてみましょう。25トン吊れるからといって、25トンの荷物を用意してはいけません。25トンクラスの主巻フックは、それだけで約250-300kgの重さがあります。

それに加えて、玉掛け用のワイヤロープ、シャックル、モッコなどの重量も加算されます。これらを合計すると、吊り具だけで500kgを超えることも珍しくありません。つまり、実際の計算式は「定格荷重 = 定格総荷重 - 吊り具の総重量」となるわけです。

ここは絶対に見落とせません。

誰も教えてくれない厄介な真実をお話しします - カタログの定格荷重表は、ブームの長さと作業半径が大きくなるにつれて、驚くほど急激に低下します。手元で25トン吊れるクレーンでも、ブームを最大まで伸ばし、作業半径を広げると、わずか1トンや2トンしか吊れなくなるのです。

作業半径やブームの長さによる定格総荷重の変化がわかりにくい時の対処法

実際の現場選定において、クレーン 総荷重 計算や定格荷重表との照合は不可欠です。クレーンが耐えられる荷重は、ブーム(竿)を長く伸ばしたり、作業半径(旋回中心からフックの中心までの水平距離)を大きくしたりするほど、小さくなります。

具体的な定格荷重表の見方

表を見る際の手順は以下の通りです: 1. まず、作業半径を確認する(例:10m) 2. 次に、必要なブーム長さを確認する(例:16m) 3. 表の交差する部分の数値(定格総荷重)を読み取る 4. その数値からフックやワイヤの重さを引いて定格荷重を出す

この手順を逆にしたり、荷物の重さから逆算して適当なクレーンを呼んでしまうと、現場でアウトリガーを最大に張れない状況などに直面し、作業がストップします。計画の段階で、余裕を持った安全率を考慮することが求められます。注意:実際の現場でのクレーン作業や玉掛け作業は、有資格者が行い、各クレーンの公式な取扱説明書に従ってください。

安全率や吊り角度による張力の計算方法が複雑だと感じる方へ

玉掛け作業において安全係数の理解はコンプライアンス上、極めて重要です。法的な基準により、玉掛け用ワイヤロープの安全係数は「6以上」と定められています。チェーンの場合は「5以上」です。

計算上は耐えられる太さのワイヤであっても、吊り角度が大きくなると張力は急激に増加します。例えば、吊り角度が60度の場合、ワイヤ1本あたりにかかる張力は、垂直に吊った場合の約1.15倍になります。これが90度になると約1.41倍です。

本当に恐ろしい数字です。

私はかつて、吊り角度を120度近くまで広げて無理に幅広の鉄板を吊ろうとした現場を見たことがあります。クレーン 吊り具 重さ 計算や角度による影響を見落とすと、張力は垂直時の2倍に跳ね上がり、ワイヤから不気味なきしみ音が鳴ります。直ちに作業を止めさせましたが、あと少しで破断していたでしょう。玉掛けの計算式には、必ずこの角度による張力増加分を組み込んでください。

現場に合わせたクレーン選定の比較

荷重計算と同じくらい重要なのが、現場環境に適したクレーンの選定です。用途によって定格総荷重の考え方や得意な作業が異なります。

ラフタークレーン (推奨)

  1. アウトリガーを最大張出できない場合、吊り上げ能力が極端に低下する
  2. アウトリガーの張出幅とブーム長さ・作業半径で細かく定格総荷重が変化する
  3. 市街地の狭小地や、不整地での作業

クローラークレーン

  1. 地耐力が不足していると転倒の危険があるため、敷鉄板による養生が必須
  2. アウトリガーを持たず、クローラー(履帯)の接地面積で安定を保つ
  3. 大規模な土木現場や、吊り荷を持ったままの走行(定格荷重の制限あり)が必要な場所

トラッククレーン

  1. 前方にブームを向けた場合の定格荷重が、後方や側方に比べて著しく低いことが多い
  2. トラックシャシに架装されており、後方・側方・前方で吊り上げ能力が異なる場合がある
  3. 高速道路を使った長距離の移動が必要な現場
一般的な建築・土木現場であれば、小回りが利きアウトリガーで安定性を確保できるラフタークレーンが最も汎用性が高いです。しかし、定格荷重表を読み違えると重大事故につながるため、選定時には必ず吊り具の重量を含めた「定格総荷重」で計算してください。

作業半径の誤算:太郎の現場でのヒヤリハット

大阪の建設現場で施工管理を担当する太郎(28歳)は、屋上に5トンの空調室外機を設置する計画を立てていました。彼はカタログの「最大吊り上げ荷重25トン」という数字だけを見て、25トンのラフタークレーンを手配しました。

作業当日、クレーンを配置してブームを伸ばしたところ問題が発生しました。道路の幅が狭く、クレーンを建物から離れた位置にしかセットできなかったのです。作業半径が14mに達し、さらに主巻フック(約300kg)とワイヤの重さを計算に入れるのを忘れていました。

オペレーターから「この半径とブーム長だと、定格総荷重は4.5トンまで落ちる。5トンの荷物は吊れない」と作業を拒否されました。太郎は青ざめました。彼は急いでリース会社に連絡し、一つ上のクラスである50トンクレーンの空きを探すハメになりました。

クレーンの再手配により作業は半日遅れ、追加費用として約8万円の損失が出ました。この手痛い失敗以降、太郎は必ず現場のCAD図面で正確な作業半径を出し、定格荷重表と吊り具の重さを照らし合わせてからクレーンを選定するようになりました。

補足的な質問

吊り上げ荷重と定格荷重の違いは何ですか?

吊り上げ荷重はクレーン自体の最大能力(構造上の限界)です。一方、定格荷重は実際の作業時のブームの長さや角度などの条件において、フックなどの吊り具の重さを引いた「実際に吊れる荷物の最大重量」を指します。

クレーンの吊り具の重さはどのように計算すればいいですか?

使用するフックブロックの重量(カタログ記載)、玉掛け用ワイヤロープやシャックル、天秤などの総重量を足し合わせます。例えば25トンクレーンなら、吊り具だけで300-500kgになることが一般的です。

さらに詳しく知りたい方は、ラフテレーンクレーンとラフタークレーンの違いは?も合わせてご覧ください。

ブームを伸ばすと定格総荷重が小さくなるのはなぜですか?

テコの原理と同じで、支点(旋回中心)から作用点(荷物)までの距離が遠くなるほど、クレーン本体を倒そうとするモーメントが大きくなるためです。安全を保つために、遠くへ伸ばすほど吊れる重さは制限されます。

最終評価

計算式の基本を忘れない

実際に吊れる荷物の重さ(定格荷重)は、常に「定格総荷重」から「吊り具の重さ」を引いて求めます。

作業半径の確認が命

カタログの最大荷重は最小作業半径時の数値です。実際の現場の作業半径とブーム長さに合わせた定格荷重表を必ず確認してください。

玉掛け角度の張力増加に注意

ワイヤロープの安全係数は6以上を確保し、吊り角度が広がるほどワイヤにかかる張力が急増する(60度で1.15倍)ことを計算に入れましょう。